タコ種苗生産技術開発へ、県民巻き込み資源回復

2023年7月20日

着底前の稚ダコ。今年度もすでに種苗生産技術開発は進められている(兵庫県提供)

 兵庫県農林水産部水産漁港課は2023年度、マダコの種苗生産技術開発、妻鹿漁港(姫路市白浜町)の浮桟橋などの整備、沼島漁港(南あわじ市)の津波対策水門整備などに取り組むほか、昨年度に明石市で開催した第41回全国豊かな海づくり大会兵庫大会の理念を継承するため設立される「ひょうご豊かな海づくり県民会議」が取り組む各種活動を協力支援する。

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 マダコは、同県を代表するブランド水産物の一つだが、近年は漁獲量の減少に加え、漁業と遊漁の間で漁場利用のトラブルも発生している。栽培漁業によるマダコ資源の増大は漁業者からの要望も強いものの、種苗生産技術は確立されていない。

 県では着底稚ダコの生産技術開発により、マダコが県民総参加による豊かで美しい海の創出と継承につなげるシンボルとなるように、漁業者だけでなく、多くの県民の協力のもとで種苗放流に取り組み、マダコ資源の回復増大を図っていく。まずは23、24年度に生産技術を開発、25年度後半から26年度に試験的に放流し、27年度から10万匹の本格生産、放流を目標に取り組む。[....]