<IWC総会>持続利用・保護主義で対立構図変わらず

2018年10月5日

半世紀ぶりに日本人が議長を務めたIWCフロリアノポリス総会

 第67回国際捕鯨委員会(IWC、加盟国89か国)総会が9月10?14日に、ブラジル・フロリアノポリスで開かれた。森下丈二日本政府代表(東京海洋大学教授)が議長を務め85か国が出席。鯨類の持続的利用派と保護主義の意見が平行線をたどる中、日本は共存させるための改革案を模索し資源管理機関として機能する組織に戻す改革と、一部鯨種に限定した商業捕鯨再開を盛り込んだ日本提案を提出したが否決。一方、商業捕鯨を一切認めず保護委員会への予算を増加を求めるブラジル提案「フロリアノポリス宣言」が過半数投票で決議された。総会を振り返り課題を総括する。
 今年の総会で焦点となったのは「IWCの将来」として議題に上がった日本提案と「フロリアノポリス宣言」、そして6年ごとに更新される先住民生存捕鯨枠の決定だ。日本政府団は谷合正明農林水産副大臣、岡本三成外務大臣政務官をはじめ、浜田靖一捕鯨議員連盟会長代行ら自民党捕議連議員や公明党、旧民進党系の議連代表者が出席するなど異例の態勢で臨んだ。
 会議は初日から認識の違いが明確だった。豪州の代表が日本提案について「商業捕鯨再開を一切認めない。先住民生存捕鯨枠は決定できており、IWCは機能している」と発言。日本は谷合副大臣と岡本政務官が共存を目指す日本提案の趣旨と日本の姿勢を示したが双方の意見は平行線をたどった。[....]