2024年2月13日
(株)BS朝日で放送中のドキュメントバラエティー番組「魚が食べたい!~地魚さがして3000港~」(「魚が食べたい!」)と(株)水産経済新聞社がコラボし、全国の漁港を調査する企画「一魚一会の旅」がスタートする。魚大好きディレクター小南彰氏と本紙の小菅綾香記者が「ここでしか味わえない魚」を求めて漁師の船に乗り込み、「おいしい魚」を生み出す裏側に迫る。第1弾は静岡・御前崎市の御前崎港と牧之原市の地頭方(じとうがた)漁港で魚一匹一匹と向き合い、付加価値を高める取り組みを取材した。
◇ ◇ ◇
飲食店を中心に鮮魚を販売する一本釣り漁師の長尾紘一さん(28)と深瀬一輝さん(24)は、取引先の要望に合わせた鮮度処理を施すことで、食材としてのポテンシャルを最大限引き出した魚を提供している。「一匹一匹に向き合う姿勢に『愛』を感じる」と飲食店からの信頼も厚い。
漁場の豊かさから「外洋のオアシス」と称される御前崎沖で、5年前からシロアマダイの漁獲量が増えている。アカアマダイよりも甘みが強く、キメ細かい身質のシロアマダイは、高級な和食店やフランス料理店で引き合いが強い。特に釣り物はキロ1万円以上で取引されることもある。
2人は取引先の飲食店の要望に合わせ、鮮度管理を行っている。「価値の高い一匹を届けたい」という思いから、「魚種や料理に応じてポテンシャルを最大限に引き出すことが重要だ」と、こだわりを語る。[....]