<復興への一歩>②JFいしかわ西海支所「立ち止まらず動き続ける」

2024年3月12日

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漁船で混み合う新港。岸壁間には段差

 揺れは初めて経験する大きさだった。ただ、富来漁港からさほど離れていない富来川沿いの被害は大きかったものの、富来漁港周辺は岩盤上にある土地柄のためか、揺れによる見た目の被害は一見すると少ないようにみえている。だが、九木運営委員長は「人に例えれば手も足も折れた重症の状態だった。直後の漁港の敷地内は亀裂や穴だらけで歩けたものではなかった。突堤は岸壁を除いて沈下し、大きな段差ができていた」と振り返る。

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 一帯は40センチほど隆起したことで津波の高さがいくらか相殺されたうえに、北の方から来る津波は富来漁港へは直接ではなく回り込んできたためにやや低かった。それでも津波は漁港内を突き抜けた。「荷捌き所などのシャッターがすべてやられた。一部の漁船の転覆や流出だけでなく、車やリフト、タンクなどが軒並み流された」という。[....]