23年漁期ABC案、太平洋マイワシ92.2万トン

2022年9月20日

マイワシ、マアジの資源評価と管理基準値

 水産庁は16日、水産研究・教育機構が取りまとめたマイワシ・マアジの2魚種4系群の資源評価結果を発表した。2023年漁期(1?12月)の生物学的許容漁獲量(ABC)は、マイワシ太平洋系群が92・2万トンで、22年TACの79・1万トンから17%増加している。だが、算出根拠には今年から外国の漁獲量を加算した。日本の漁獲可能量(TAC)設定へどう反映するかについて水産庁は、「10月以降の意見交換会を経て決定する」と述べるにとどまった。

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 マイワシ太平洋系群の親魚量は、北太平洋漁業委員会(NPFC)の報告からロシアと中国の漁獲量を加味し、20年の244・9万トンより24・4万トン少ない220・5万トンとした。資源量の増加に伴う年齢別平均体重の低下が影響している。

 これほどの成長悪化は1980年代の高加入期にもみられなかった。そのため、依然として最大持続生産量(MSY)を達成する親魚量を大きく上回っていながら、「水研機構も高水準期に移行したと判断できていない」(水産庁)ため、引き続き通常加入期として将来予測し、ABCを92・2万トンとした。[....]