カタクチ太平洋も決定、柔軟管理で来年TAC化

2024年4月26日

 水産庁は24日、第4回カタクチイワシ太平洋系群の漁獲可能量(TAC)管理に向けた検討会(ステークホルダー〈SH〉会合)を都内でオンラインを併用して開催し、TAC管理に段階的に実施する「ステップアップ管理」を2025管理年度(1~12月)から開始することを決定した。同庁は漁獲枠の繰入制度や高加入期への移行に対応する「トリガー式の上乗せルール」など、柔軟な管理を提案。参加者は資源評価の精度と管理強化に不安をにじませたが、おおむね同意を得てTAC管理のスタート地点に立った。

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 カタクチは通常加入期とは別に、資源量が急激に増加する高加入期がある。そのためほかのTAC魚種にも適用している、国の留保枠からの配分や他区分からの融通に加え、新たに翌年度からの繰入制度およびトリガー式の上乗せルールなど、柔軟な管理を提案した。

 繰入制度を活用することで、想定より資源量が多かった場合の獲り残しを抑えられる。他方、その際に資源へ与えるリスクを評価する必要性や、関係者間でルールを設ける重要性についても説明した。今後のステップアップ管理で議論を深める。[....]