鹿児島産クルマエビ「ソラチョク便」で豊洲へ

2023年5月18日

輸送されるクルマエビ

 鹿児島県や沖縄県でクルマエビの養殖、加工、販売を手掛ける車海老日本(株)(鹿児島・南九州市、谷邊靖泰代表取締役)は10日、航空会社(株)ソラシドエアの「ソラチョク便」を利用して活クルマエビを種子島から豊洲市場へ運ぶ事業をスタートした。谷邊代表取締役は「まとまった量の空輸が可能になり、新型コロナウイルス後の需要回復にも対応していきたい」と意気込む。

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 新型コロナの影響により航空各社は便数削減や小型機へ変更し、活クルマエビの輸送量は限定的になっていた。同社では冷凍品生産への切り替えなどで対応してきたが、それでも池繰りなどにひずみが生じていた。

 ソラシドエアの「ソラチョク便」を活用することで、種子島の養殖場を午前10時30分に出発したクルマエビはフェリーで鹿児島ふ頭に午後5時30分に到着後、8時40分に鹿児島空港をたち羽田空港に10時20分に到着。航空機から直接車両に搭載することで、空港エリア内の貨物上屋で引き取りを行う従来の配送方法よりも時間を短縮し、豊洲市場に11時15分ごろに到着。翌日早朝から始まるセリに掛けられる。

 新型コロナ前のダイヤでは貨物室に余裕がある最終便の飛行機で活クルマエビを運んでいたが、航空各社のフライトスケジュールの見直しなどにより積載できる量が減少していた。

 車海老日本は年間約110トンを養殖しており、種子島にある2養殖場の生産量は50トンほど。

 「ソラチョク便」は荷主からの引き取りや納品の陸上輸送と航空輸送を一貫して行い、荷物を「当日中」に届けるサービス。2021年10月に宮崎エリアで始まり、鹿児島エリアは2拠点目だ。[....]