IUU衛星で丸見え、国際セミナーでGFWが報告

2018年6月12日

どの海域でどんな船が操業しているかホームページでリアルタイムに把握

 国際NGOなど8団体によるIUU漁業対策フォーラム主催による「違法・無報告・無規制(IUU)とトレーサビリティ」をテーマとした国際セミナーが8日、東京で開かれ、全世界の漁船の動きを無料で提供する「グローバル・フィッシング・ウオッチ」(GFW)は、衛星データを活用した情報で、IUU漁船の転載やビジネスの実態までもが分かるようになってきていることを報告した。
 GFWは、グーグルなどが設立した組織で、衛星データとグーグルのコンピューター技術を活用し、世界の漁船など船舶の動きがリアルタイムで分かるサービスを無料で提供している。セミナーで報告した豪州ウーロンゴン大学のクエンティン・ハニック准教授やGFWの共同創立者であるブライアン・サリバン氏らによると、船に積まれている自動船舶識別装置(AIS)情報をベースに機械学習などを使い、どの船がどんな漁業を行っているかだけでなく、違法な転載やビジネスの実態も分かる。
 漁船の収益性までも予測でき、世界で操業する船の54%で利益が上がっていない実態も解明。収益の上がらない漁船も各国の燃油補助などの助成金で収益を確保していることまで分かる。
 IUU漁船はAISなどの情報発信機能をオフにして操業している船が多いが、赤外線と可視光線のイメージデータを収集する衛星技術(VIIRS)を活用することで、船の動きも分かるという。[....]