IoTとAIでエビ養殖効率化/IIJがタイで実証へ 

2018年5月17日

 通信事業大手のインターネットイニシアティブ(IIJ、勝栄二郎社長)は15日、タイ国でモノのインターネット(IoT)を使いエビ養殖の生産性向上を図るプロジェクトに参画したと発表した。水質環境情報と熟練職員の作業工程を収集して分析にIoTや人工知能(AI)を活用することで、最適な工程を導き出す。システムにより歩留まり15%向上させ、生産コスト7・5%削減を目指す。
 同社によると、タイ国でエビ養殖は、稚エビからの生存率が6割程度にとどまるという。疾病の要因となる水質変化を迅速に把握し、改善していくことで「生産力向上が実現できる」と狙いを語った。
 各養殖水槽に水質センサーを導入し、水温や溶存酸素、pH値の集積ほか、毒性の高いアンモニアや亜硝酸の値もイオン濃度から自動算出。情報収集には、低消費電力で長距離通信をカバーできる無線通信技術を利用しスマートフォンなどの通信端末で確認できるようにする。
 IoTを活用。給餌や水環境を整える調整剤の投与、水替えなどを実施するたびに作業管理用アプリケーションへ入力し、水環境データとの相関関係をAIで分析することで、工程の最適化を導き出す。名人と呼ばれる熟練職員の技を伝承させる教育コストの低減にもつながる。[....]