2021年10月8日
天然ブリの漁獲が北海道で好調だ。冬が旬のイメージが強い魚だが、近年はひと足早い秋に道内の漁港での水揚げが増加。首都圏にも出回っており、不漁が続くサンマや秋サケなどに代わる新たな「秋の主役」になりつつある。
日本近海を回遊するブリは、長崎県や富山県などが産地で知られ、北海道ではかつて水揚げが少なかった。北海道水産林務部によると、道内漁獲量は2000年以降、最も少ない03年で305トンだったが、11年から急増。昨年は1万5500トンにまで伸び、落ち込んでいる北海道の代表格のサンマやスルメイカを上回った。
北海道の沿岸域では近年、秋サケなどを狙った定置網に大量のブリが掛かるケースが目立つ。今年も漁港によっては「本命のサケよりも多い」と産地関係者。資源量の増加や海水温の上昇などが影響しているとみられ、「海水温が高いとブリが獲れやすい傾向にある」(漁業情報サービスセンター〈JAFIC〉)という。[....]