生鮮カツオ/組成に異変、終盤も小型に偏重

2020年9月15日

気仙沼でも小型に偏重した水揚げが続く

 日本近海の生鮮カツオ漁が終盤になっても小型に偏重する異例の事態に見舞われている。例年なら丸々とした「戻り」が増えるはずだが、秋を迎えてもその気配はごくわずか。序盤と変わらず商品価値の低い未発達魚の「上り」が多くを占め、関係者を「過去に経験がない」と困惑させている。今季は来遊資源が少なく漁獲自体も低調なだけに、最大産地・気仙沼からも「最悪のシーズン。仕事にならない」などと悲鳴が上がっている。

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 気仙沼では6月中旬に初めて水揚げがまとまり、今月までに徐々に増加。昨年は本格化が大幅に遅れ、7月スタートとなったため、1か月早かった今シーズンへの関係者の期待感は高かった。ただ、全国的な不漁が大きく影響。一本釣り船による水揚げは低調ながらも続いてきたが、一方のまき網船は群れの薄さから振るわず、今月10日現在で全体数量は前年比約2割減の1万30トンにとどまっている。[....]