水研機構、昆虫粉でマダイ育成

2022年10月6日

42日間の飼育実験後のマダイの体重

 水産研究・教育機構水産技術研究所養殖部門生理機能部の安藤忠主幹研究員ら研究グループは4日、飼料に含まれる魚粉の2分の1をアメリカミズアブに由来する昆虫粉に替えてもマダイの成長に影響がないことを確認したと発表した。食品残渣(さ)を餌にして人工的に生産できるミズアブ粉を使用することで、天然資源に負担をかけない持続可能な養殖マダイの生産体制構築や、食品残渣の有効活用に寄与することが期待される。

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 安藤研究員らは、魚粉とミズアブ粉の配合比が(1)10対0(2)5対5(3)市販の配合飼料―の計3種類を比較。水温を25度Cに保った500リットルの水槽3つにそれぞれ平均体重26・3グラムのマダイ15?16尾を入れ、42日間にわたって飼育した。

 その結果(1)の水槽のマダイの平均体重は90・0プラスマイナス10・1グラム、(2)は84・5プラスマイナス6・1グラム、(3)は80・8プラスマイナス8・6グラムとなり、(1)と(2)、(2)と(3)の間に統計学的な差は認められなかった。これにより、魚粉の半分をミズアブ粉に置き換えても成長に悪影響がみられないことが分かった。[....]