捕鯨基地「おしかホエールランド」、新型コロナで続く開業延期

2020年6月4日

施設は完成したが、閑散とした状態が続く

東日本大震災から9年余り、甚大な被害を受けた宮城県石巻市の鮎川地区にようやく再建された捕鯨基地のシンボル「おしかホエールランド」が開業見合わせを強いられている。住民挙げて準備に取り組み、万端整ったところに新型コロナウイルス感染が拡大。大目標だったゴールデンウイーク前のオープンを「苦渋の決断」として泣く泣く延期した。緊急事態宣言は解除されたが、正式な開業日は未定。展示と飲食・物販を兼備した文字通りの“賑わい拠点”なだけに、地元関係者は「復興がさらに遅れてしまう」と危機感を募らせている。

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 「おしかホエールランド」は貴重な漁具や骨格標本、歴史資料、伝統工芸品などで鮎川地区の捕鯨文化を紹介する施設。昭和初期に整備されて以来、幾度となくリニューアルを重ね、魅力の維持・向上を図った結果、多くの人に「鮎川といえばホエールランド」と認識される存在になった。[....]