前借りでTAC有効利用、全魚種対象に

2023年3月20日

 水産政策審議会資源管理分科会が17日に都内で開かれ、翌管理年度から漁獲可能量(TAC)の前借りを可能にする、資源管理基本方針の一部改正が承認された。すべてのTAC魚種が対象になる。これに基づき2022管理年度(22年7月~23年6月)のマサバ対馬暖流系群、ゴマサバ東シナ海系群TACが、現行の12万9000トンから1万4030トン(約11%)増の14万3030トンに変更される。

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 当該管理年度と翌管理年度の間でTACを調整するには、「科学的な妥当性」が求められる。最新の資源評価と漁獲シナリオで算出された翌管理年度の生物学的許容漁獲量(ABC)が、一定の増加を示すことが前提で、さらに「漁獲シナリオで定めた漁獲圧力を超えない」「親魚量が限界管理基準値以上の水準にある」「最新データに基づく資源評価がすでに公表されている」「変更時期が漁期前または最中である」ことが挙げられる。[....]