人工種苗で端境期なくせ、養殖ブリ周年出荷へ前進

2023年5月2日

クリックで画像を大きく表示します

出荷サイズに成長した人工種苗ブリ㊤と取り上げ風景

 県産養殖ブリの安定出荷に向け大分県は、産卵時期をずらした人工種苗を生産し採卵から約20か月後の今年4月に出荷を開始した。天然種苗同様に、この時期特有の成熟はみられたものの、市場関係者は脂乗りや肉質を高く評価した。天然種苗による成魚端境期の6月末まで品質と体重の変化を調査しながら、年間を通じて高品質な養殖ブリ出荷の可能性を探る。

       ◇       ◇       ◇

 水産研究・教育機構と連携して県農林水産研究指導センターは、産卵期を8月にした人工種苗生産の研究に取り組んでいる。2021年10月には全長約10センチの稚魚約1・4万尾の出荷に成功した。天然稚魚で育てる通常サイクルから約半年ずらした人工種苗の投入により、産卵の影響により品質が下がる3年魚と、出荷サイズに満たない2年魚が混在する4~6月にも、質の高い養殖ブリを販売する狙いだ。[....]