主要港・鮮カツオ水揚げ、首位争い異例の展開 

2022年10月18日

現在も少量ずつだが気仙沼、勝浦への水揚げがある

 生鮮カツオの水揚数量をめぐる主要港の首位争いが終盤までもつれ込む異例の展開となっている。理由は夏場以降の漁獲不振に伴う王者・気仙沼港の伸び悩み。例年なら大量に積み足して秋を待たずに独走状態となるが、今年は序盤にリードした千葉・勝浦港といまだ大接戦を演じている。先月末に追い抜きはしたものの、その差は先週末段階でわずか306トン。両港では今なお少量の水揚げが続き、このまま雌雄を決するかは不透明だが、不漁に起因する接戦だけにどちらの関係者も「首位になっても喜べない」と複雑な思いを抱いている。

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 今年の生鮮カツオ漁は「例年並み」と予想されたが、フタを開けると厳しい展開に。初夏までは南寄りの漁場で3?4キロサイズがまとまったが、漁獲主体となるはずの1・5?2キロサイズが近海にみえず、群れが相当に薄く広範に分散したため、中盤以降は著しく伸び悩んでいる。漁業情報サービスセンター(JAFIC)の情報サイト「おさかなひろば」によると、9月末現在の全国主要港水揚実績は2万8924トンで前年比55・9%減。落ち込みは夏場以降に顕著となり、5月は6・9%減にとどまっていたが、6月は47・4%減に急拡大。7月以降は3か月連続で6?7割減と不振を極めた。[....]