中東で選ばれるカキに、大分・佐伯市「大入島オイスター」

2024年5月8日

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回収直後の大入島オイスター。付着物はほぼない

 大分県南部の佐伯市大入島(おおにゅうじま)で生産されているブランド養殖カキ「大入島オイスター」が、中東・アラブ首長国連邦(UAE)ドバイへの輸出を増やしている。品質はもちろんだが、うま味を増やし成長を促す定期的な天日干しで貝柱が鍛えられ、生の状態でも長距離輸送に耐える特徴が評価された。今年は約20万個の輸出を見込んでいる。

 大入島オイスターを生産する合同会社新栄丸の宮本新一代表によると、当地から東京を経由しドバイへの空輸は検疫も含め4~5日かかる。その間に殻が開けばクレームの対象となる。〝しっかりと口を閉じたまま、長時間の輸送にも耐える強いカキ〟を探していた商社に、その価値を見いだされた。

 同社のカキはシングルシード(1粒カキ)をバスケット状のかごに入れて育てる。普段はかごの片側に付くフロートを上にして、水中でプランクトンを食べさせるが、定期的に反転させて天日に干し、付着物の発生を抑えて、ほぼ付着物がない美しいカキを育てる。[....]