リモートと産業医の活用、就業者増やす“安全対策”

2021年2月24日

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パソコンのZoomカメラで船内を撮影する久宗教授

 国土交通省海事局は2020年9月に「船員の健康確保に関する検討会」の結果を「船員の健康確保に向けて(案)」としてまとめた。陸上産業と同様に健康管理を行う産業医の導入は、現在の船員がより健康な状態で働けるための指導であり、環境が整えば遠隔(リモート)での対応も可能だ。安心して働ける職場は新人確保に有効で、沿岸漁業も利用しない手はない。

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 同検討会で座長を務めた神奈川大学工学部の久宗周二教授によると、制度導入は22年度からと想定されている。雇用船員50人以上の船舶所有者に義務付け、それ未満は努力義務の扱いだ。

 新たな制度には、情報通信技術(ICT)を活用したリモート対応も促している。陸から隔絶された船内でも、産業医の面談や職場改善の巡視(訪船指導)の実効性が確保できるためだ。特に新型コロナウイルスの感染拡大後は、ほかの地域から来る人と船員との接触を「最低限にとどめたい」という気持ちも働く。[....]