2023年8月29日
中国税関総署が日本産水産物の輸入禁止を発表したことを受けて、主力輸出品目であるホタテの事業者にも動揺が広がっている。今後の先行きには両貝、玉冷ともに相場の下落などを懸念する声が上がるとともに、国内加工回帰の流れや新たな販路の開拓の必要性も指摘され、政府による支援策が具体的にどのような内容になるのかが注目を集めている。
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2022年農林水産物・食品の輸出額は1兆3372億円。このうち、水産物は3873億円。品目別ではホタテ貝(生鮮・冷蔵・冷凍)が911億円(前年比51%増)で最多を占める。
ホタテ貝の中でも主力の冷凍品は金額では51%増の811億円、数量では17%増の11万1392トンで現行のコード(統計品目番号)が導入がされた1988年以降で最多。このうち中国向けは全体の90%に当たる10万402トン。中国向けの96%が殻付きを示す「その他」で、冷凍両貝とみられている。[....]