ベニザケ陸上養殖に成功、ビジネスベースで世界初

2023年7月24日

養殖の成功を喜ぶ澁谷社長㊧、伊藤社長(中央)、平野学長

 NTT東日本(澁谷直樹社長)、地場スーパーの(株)いちい(伊藤信弘社長)、岡山理科大学(平野博之学長)は20日、福島市のいちい本社会議室で記者会見を開き、共同で実証しているベニザケの完全閉鎖循環式陸上養殖プロジェクトの進捗(ちょく)を報告した。1年半前に池入れした約1000尾の稚魚のうち、200尾が出荷サイズの1・2キロまで成長。初水揚げを済ませ、翌日から試験販売を行うことも発表。ベニザケは病気に弱く、成長も遅いため養殖は困難とされてきた。研究目的以外のビジネスべースでの成功は世界初という。

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 同プロジェクトでは、岡山理科大学の山本俊政准教授が開発した魚の成長を促進する養殖水「好適環境水」を使用。天然物では4~5年かかるところ、1年半という短期間で目標サイズを達成した。

 また魚の飼育にも特徴があり、実際に現場に立ってきたのは養殖未経験のいちい従業員2~3人。NTTが水槽の映像や水質などをリアルタイムで把握・指導できる環境を整えたことで、専門家が近くにいなくても養殖を可能にしてきた。[....]