ノルウェーにクラゲ来襲、異例の魚価高の一因に

2024年2月20日

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養殖イケスなどに被害を及ぼしているパールノーマン(Erling Svensen/Institute of Marine Research Norway提供)

 世界最大のアトランティックサーモン生産国ノルウェーで、昨秋から広範囲にわたって養殖イケスにひも状のクラゲが流れ着き、皮膚炎や斃(へい)死などの被害が報告されている。生産者サイドによると特に中央部の被害が大きく、外傷により主力の生鮮頭付き出荷が難しくなり、急きょ加工の主力をフィレー生産へとシフトした大手も出ている。

 クラゲはパールノーマン(学名Apolemia uvaria)と呼ばれるヒモクラゲの仲間とみられるが、イラクサ毒をもつため触覚に触れると皮膚に炎症を引き起こし、急性ないしは時間をおいて肌目の損傷が進行するという。

 昨年10月には英国やアイルランドでも確認されており、その後1か月ほど遅れてノルウェー海域に漂着。例年なら年内で被害が収まることが多かったが、今年は年が明けても被害が続き、研究者によっては5月ごろまで長引く可能性も予想されている。[....]