サンマ水揚げ、前年超えも低水準

2022年11月4日

 サンマ漁は10月を終え、前年を上回る水揚げペースで進んでいるが、そのボリュームは依然として低水準の範疇(ちゅう)にとどまっている。この先、近年の?盛漁期?となっている11月にどれだけ伸びをみせられるかが焦点だ。

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 漁業情報サービスセンター(JAFIC)の統計によると、10月末までの全国のサンマ水揚げ(速報値)はおよそ1万1000トンとようやく1万トンを超え、前年同期を2割強上回った。9月末までは前年比2割減のペースできていたが、10月の水揚げが前年同月より3000トン余り多い約7100トンと伸び、前年比プラスに転じた。

 ただ、昨年はシーズン水揚げが史上最低(約1万8300トン)に終わった年で、その同期比較での2割増なだけに?増産ムード?は薄い。目下、依然公海主体に形成されている漁場での漁獲も散発的とされ、JAFIC道東出張所の担当者は「魚群に厚みがなく、一か所の漁場での漁獲が続かない」と説明する。10月下旬には一時、日本二百カイリ内に漁場が形成されたものの、「獲れ方に船間格差があり、ひと晩の漁獲が1トン未満という船もあった」と、不安定さを指摘している。[....]