クロマグロ遊漁の取締り SNSで発信、違反抑制に

2023年9月5日

立ち入り検査で規制に違反する20キロのクロマグロの採捕を確認

 遊漁者によるクロマグロ採捕の規制が導入された2021年6月から、水産庁は都道府県や漁業調整事務所と連携し、監視や取り締まりを実施。今年度からは交流サイト(SNS)のフェイスブックで、取り締まりの様子を発信しており、釣り人の違反抑制や規制順守に効果を発揮している。

 同庁資源管理部管理調整課の沿岸・遊漁室には、現場の漁業者から「遊漁船(もしくは釣り人)の違反行為を目撃した」との情報が、全国各地から寄せられる。この情報に基づき、同庁による取り締まりのほか、各地の都道府県や漁業調整事務所と連携し、遊漁者への声掛けやクーラーボックスの漁獲物確認などを行っている。

 取り締まりの積極的な実施により、8月31日現在で「採捕禁止期間中に小型魚(30キロ未満)を釣っていた」など、5件の違反行為に対して指導文書を出した。

 取り締まりの様子は、水産庁のSNSで発信している。記事中に「#クロマグロ遊漁」などのキーワードを記載することで、釣り人の検索に引っかかりやすい工夫も施した。

 沿岸・遊漁室の鉢嶺朗課長補佐は「実際に漁港やマリーナで取り締まりする様子を載せることで、違反の抑止効果につながるのでは」と期待する。クロマグロ遊漁船事業者協議会の事務局を務める(株)デジタルベースキャピタルの桜井駿代表パートナーは、「SNSで発信された違反摘発の様子は、多くの釣り人や遊漁船業者が見ている。問題を身近に感じることで、違反の抑制に一定の効果を感じる」と話す。

 鉢嶺課長補佐は採捕禁止期間でのクロマグロ釣りや、小型魚を採捕している船を目撃した場合に、(1)日時・場所(2)船名(3)停泊場所―などについて「水産庁や都道府県に情報提供してほしい」と呼び掛ける。[....]