オ海で違法カニかご961個押収 

2023年2月16日

違法に設置されていたカニかごとロープ(同支部提供)

 水産庁漁業取締本部札幌支部(北海道漁業調整事務所)は10日、昨年のオホーツク海における違法設置漁具の押収結果を発表した。

 押収活動はオホーツク海の海明け以降、紋別北方の日本二百カイリ内「北見大和堆」で取締船により実施。押収件数は前年より2件多い12件で、カニかご961個(前年874個)、ロープ1万8570メートル(1万7305メートル)を押収した。カニかごは日本の漁業者が使うものに比べ大型で、素材も違っていたという。

 違法漁具にはズワイガニ7852キロ(前年9483キロ)のほか、毛ガニ、タラバガニ、アブラガニ、貝類などが掛かっており、資源保護の観点からすべて海中放流した。

 カニの好漁場であるオホーツク海では2000年代以降、便宜置籍船(FOC船)とみられる外国船が違法に漁具を設置し、密漁する事例が頻発。同支部では対策として12年から違法設置漁具の探索・押収活動を行っている。音波により海底の状況を詳細に把握できるサイドスキャンソナーを使って効率的な探索を推進。22年度からは新たに1隻の取締船が同支部の所属船になるなど、体制も強化している。

 同支部では「違法漁獲の全体像は把握しづらい状況だが、今後も活動を続け、取り締まりに努めていく」と話している。[....]