養サーモンをIT個体管理、セルマックがシステム開発

2018年8月22日

「iFarm」を使えば、サーモンの状態が個体ごとに識別・選別可能

 ノルウェーのサーモン養殖大手で三菱商事100%子会社のセルマックは、センサーによる個体識別養殖システム「iFarm(アイ・ファーム)」を開発した。既存の沿岸養殖施設を活用し、魚を集団管理ではなく新システムを活用した個体管理することでサーモン養殖の進化が期待される。
 ノルウェーでは中長期的に持続可能な方法で養殖サーモンの生産量を増やす政府方針のもと、各養殖業者がライセンスの新規取得条件となる次世代型養殖システムの研究開発を進めている。セルマックは政府に対して「iFarm」の開発ライセンス(10件)を申請中で、認可待ちとなっている。
 仕組みは、コンピューター画面と連動したセンサーが魚体表面のパターン認識により個体を識別する。センサーは魚の尾数、サイズ、シーライス(ウミジラミ)の数、病気の有無などを瞬時に自動画像処理し記録。魚がセンサーを通過するごとに一尾一尾を識別・選別し、シーライスの処置が必要な個体のみを選別して集中的に処置することが可能となる。
 また、魚体重量に基づいた選別ができることでほかの魚にストレスを与えることなく、水揚げすべきタイミングの魚だけを選んで水揚げすることもできる。ゲイル・モルビック最高経営責任者(CEO)は、「ノルウェーのサーモン生産国としての競争力強化につながる」と述べている。[....]