令和2年・庚子年/海の豊かさを取り戻す

2020年1月1日

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 令和二年庚子(かのえね)2020年が明け、名実ともに令和新時代がスタートします。暦の上の庚は、昨年同様冬枯れの大地で、葉を落とした草木が次世代の種子を育む意。一方の子は、万物が原点に戻る「一陽来復」を意味し、来るべき変化に備える時。引き続き最新で正確な情報を得るよう知恵を絞り、状況に即応する実行力が求められる時のようです。

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 振り返ってみれば、平成の幕開けは、東西冷戦の終焉とグローバル経済の台頭でした。令和の幕開けは、グローバル経済の閉塞と自国だけ主議の台頭なのでしょうか。答えは次世代に託す以外にありませんが、渦中の米中貿易戦争や朝鮮半島状勢、ブレッグジットで揺れる欧州連合(EU)体制、終わらない難民問題などをみる限り、国境を越えて膨張しすぎたグローバル経済が行き詰まり、世界中で、国益をめぐる争いが引き起こされているようです。四方を海に囲まれた島国日本の国境は海であり、その先の排他的経済水域(EEZ)は、魚介類、海藻類を含む豊富な海洋資源に恵まれています。ところが、近年、この豊かな海に、地球温暖化によるとみられる想定外の現象が起こっているようです。[....]