2017年10月12日
千葉県水産総合研究センターは、鮮度の落ちやすいゴマサバを冷凍保存し高品質の刺身商材として提供する研究を進め、鮮度が落ちる過程を特定して加工手順も開発。県内3漁協の直営食堂で開催されたイベントで実際に手順に沿った形で加工されたゴマサバが提供され、好評を博した。
凍結前の鮮度が解凍後のサバのドリップ量に影響していることが分かった。鮮度低下に伴うタンパク質の分解が筋肉の硬さに関与するコラーゲン構造にも影響するためと解明できた。産卵期も品質が劣化する。自己消化酵素の活性が強まるため破断強度が下がり、軟らかくドリップ量も多くなった。
産卵期以外のサバを鮮度のよいうちに処理し低温凍結すれば品質劣化を抑えられることが分かった。生食も可能で、アニサキスによる食中毒の心配もない。
同センターは技術普及の一環として、先ごろ開催された「房総さばフェア?今が旬、ゴマサバ満喫フェア」で提供するゴマサバを、漁獲後、5時間以内に三枚におろし、マイナス30度C以下で48時間凍結したものを使用するよう指導。解凍後に刺身利用も可能な品質が保持できたことが確認された。3店舗で刺身や炙(あぶ)り寿司などに料理され、地元住民や観光客から高い評価を得たという。[....]