FAO便り[81]渡辺浩幹FAO上席水産専門官/事務局長の日本訪問

2017年6月7日

世界農業遺産「長良川の鮎」魚苗センターを視察するグラジアノ事務局長

 FAOのグラジアノ事務局長が5月9日から12日まで日本を訪問しました。日程および行事の詳細は外務省のホームページに掲載されていますが、事務局長は外務および農林水産大臣への表敬をはじめとする政府要人との会談、FAO議員連盟設立総会への出席、FAO親善大使の任命、ふくしまスイーツ賞味会への出席、世界農業遺産の視察、民間企業代表者との意見交換、上智大学における若者たちへの講演などを行いました。これらの活動は、FAOの日本に対する期待を反映したものであると考えます。

 日本はFAOに対して、米国に次いで第2位の分担金拠出国となっています。トラストファンドと呼ばれる任意拠出金も提供しており、水産分野では持続的な漁業資源の利用推進、生態系アプローチや気候変動への取り組み、そして「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(CITES)」に関する取り組みなどを支援してきました。

 事務局長は「和食」に言及しつつ日本が世界の栄養事情に貢献する独特の食文化を有し、それは健康食の国際モデルになる旨発言しています。「和食」の中核となる食材の一つはもちろん水産物です。[....]