EEZ内の外国漁船ゼロ、激減も「油断できぬ」

2023年6月5日

水産庁(手前、漁業取締船・白嶺丸)と海上保安庁(奥、巡視船・くりこま)の合同訓練(海上保安庁撮影)

 水産庁は1日、2023年に入り5月31日まで、日本海大和堆周辺水域で退去警告を行った外国漁船がゼロだったと発表した。昨年(22年5月30日時点)の6隻と比べると変化はわずかだが、一昨年(21年5月27日時点)は320隻に警告。外国漁船の進入は年により異なることから、水産庁担当者は「油断はできない」とし、日本漁船の操業安全を確保するため、万全の対応を取る姿勢を示した。

 日本の排他的経済水域(EEZ)内で外国漁船は、5月あたりから出現を始める年が多い。水産庁によると、EEZよりはるか沖で外国漁船が操業している可能性は否定できないものの、その内側で今年は「まだ確認されていない」という。

 大和堆周辺へ外国漁船の進入は、スルメイカの漁場形成と大きく関係している。そのため21年のように、5月に大挙して押し寄せる年もあれば、20年は8月に入ってから大きく増加した。また、19年には4007隻も退去警告した北朝鮮漁船が翌年から姿を消し、22年8月に再確認されるなど、出現パターンも定まらない。

 そのため水産庁は、周年にわたり配備している漁業取締船に加え、今年もイカ釣りの漁期前に当たる5月から、さらに漁業取締船を重点配備している。海上保安庁とも連携しながら警戒活動をしており、5月31日には大和堆周辺水域で放水など合同訓練を実施した。[....]