流適法施行3週間、順調な滑り出し

2022年12月22日

 密漁などの違法漁獲物を流通から排除する目的で制定した水産流通適正化法が1日に施行されてから、3週間が経過した。輸出に必要な「適法漁獲等証明書」の発行申請の予想を超える量に官庁側の業務負担増は伝えられているものの、水産庁によると、「流通、貿易に支障が出ている事例は報告されていない」という。水産物流通の中心地である東京・豊洲市場でも、対象となったアワビ・ナマコの流通が滞る事態は起きておらず、海外輸出を含め順調な滑り出しをみせている。

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 水産庁によると、届け出が必要な採捕者は11月末から4000件増の約2万4000件、流通業者は約3600件から4300件と、施行前後に一気に増加した。ただ、水産庁は「現在は届け出の申請もピークを過ぎた」という。

 「適法漁獲等証明書」の添付が義務付けられるアワビの輸出でもトラブルになりかねない案件が生じたのは1件で、直前の対応で回避されたという。水産庁は、「生産者もさることながら、対象の流通業者には非常に的確に対応していただいている」という。[....]