<商材・海藻>今年も買い手市場続く、量販店では“需要安定”

2023年5月26日

水揚げされるモズク

 3月からマスクの着用が「個人の判断」に委ねられるようになり、今月8日には新型コロナウイルスの感染法上の分類が季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げられるなど、3年にわたって続いた「コロナ禍」がようやく終わりつつある2023年の春。海藻業界においても、行動規制の緩和に伴う需要回復など明るい兆しがみえてきた。モズクやワカメ、コンブなど各商材の動向を読み解きたい。

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◆モズクメーカー動向

 全国のモズク生産量の9割以上を占める沖縄県に、今年も海藻シーズンがやってきた。沖縄県の入域観光客統計によると、3月に沖縄を訪れた観光客数は国内客が70万2000人、外国客が6万4200人の計76万6200人で前年同月に比べて84・3%増加。すっかり新型コロナウイルス流行前の様相を呈する沖縄だが、モズク業界の買い手市場は今年も続きそうだ。

 昨年に続いて今年も、メーカー各社は手持ち在庫が十分にあることから買い付けを急いでいない。3年間の価格推移をみると、19年は生産量が1万5000トン台と不作だったことやメーカーの在庫が少なかった影響でキロ250円ほどの高値が付いた。翌20年は2万2000トンを超える史上最高の生産量となったことで130~150円ほどに下落。21年以降も乱降下が続き、昨年は120~130円となった。今年も「昨年同様120~130円に落ち着くのでは」との声が大半だ。「低価格はこれから先何年か続くだろう」と産地関係者はみている。[....]