高校生が缶詰大会で海の課題と真っ向勝負

2022年10月14日

最優秀賞に輝いた境港総合技術高校の灘尾さん(?から2人目)と寺本さん(その?)

 海の課題を象徴する魚を全国の高校生がオリジナル缶詰にする「LOCAL FISH CANグランプリ2022」の決勝大会が10日、都内で開催された。缶詰の完成度だけでなく地域との連携や発信力、課題との向き合い方を競う大会で、温暖化により増殖した資源や未利用魚・部位などを利用。鳥取・境港総合技術高校がクロマグロの胃袋をもつ煮込み風にした「境港天然本マグロほーるもんのうま煮」が最優秀賞を獲得した。

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 境港は初夏にまき網漁業による、天然クロマグロの水揚げ基地となる。出荷前に除かれた内臓は飼料・肥料に利用され、人の口には入らないのが一般的だ。同校食品・ビジネス科の寺本光孝さんと灘尾天水さんは、マグロを余すことなく利用しようと、内臓の食用化に取り組んだ。

 しかし、陸揚げ直後でも胃袋に残った未消化の魚で「『本当に食べられるのか』と思うくらい臭いがきつい」と、寺本さんは顔をしかめる。地元料理人の指導も受け、臭いを消した汎(はん)用性のある一次処理品を開発。比較的扱いやすく、缶詰でも食感が残る胃袋に狙いを絞り、醤油ベースの牛もつ煮込み風に仕上げた。[....]