駿河湾サクラエビ春漁、初日は40㌧の大漁

2023年4月7日

サクラエビ春漁の初取引が5日に行われた(由比港魚市場)

 資源保護を最優先に自主規制で臨んでいる静岡・駿河湾サクラエビ春漁が4日夜に初漁を行い、約40トン(昨年春漁の初漁は約0・9トン)の大漁となった。5日早朝、由比港魚市場(静岡市清水区)と大井川港魚市場(焼津市)で初セリ(入札)が行われた。春漁は6月9日晩まで行われる。

 2日の解禁日から強風などで2日間遅れて初漁を行い、漁獲されたサクラエビを両魚市場に水揚げした。入札の一ケース(15キロ入り)当たり平均相場は3万2738円(税抜き、キロ当たり2183円)で、昨年春漁の初取引(3月31日)と比べて60・1%安だった。各市場の平均相場は由比市場が3万2750円、大井川市場は3万2694円。数量がまとまったことで単価は下がった。

 加工販売を行う仲買人は「初日にこんなに獲れると思わず、大手加工屋もほかの仕事を入れるなど買い切れなかった面がある。新型コロナウイルスが落ち着いて2月後半くらいから動き出したが、加工屋も対応できていない。値段的には台湾産と比べても割安感が出ており、いかに加工屋が対応できるかだ。この先、供給量がどこまであるかがポイント」と話した。

 初日は全59か統、118隻が出て全15海区で一斉調査を行う中、自主規制内容に基づいて操業した。田子の浦沖でまとまった漁獲があり、ほかの海域の漁を含め初日としては近年にない大漁。漁業関係者は「ひき網時間、船数などの操業規制を行った中で初日は立派な漁だった。自主規制の効果が出ていると信じたい」と話し、今後の継続した漁に期待した。[....]