道東でもサーモン養殖増加、3地区のトラウト試験スタート

2023年5月29日

 北海道東部の釧路、根室で23~25日、トラウトサーモンの種苗投入が相次いで行われた。従来の基幹魚種が減少する中、本州や道内他地区とは異なる「夏養殖」でサーモンを試験飼育し、事業化の可能性を探る。

       ◇       ◇       ◇

 23日に根室市のJF落石漁協、24日に落石を含めた根室市内4漁協と市で組織する「根室市ベニザケ養殖協議会」、25日に釧路の水産関係機関で組織する「釧路市養殖事業調査研究協議会」が、それぞれ種苗を投入した。いずれもニチモウ(株)がバックアップしており、種苗は平均500グラム前後。道内の更別の事業者から手当てした。

 落石漁協は落石漁港内に設置した円形イケス(直径14メートル、深さ5メートル)に4000尾を投入した。試験養殖は今年が初年度。秋サケなどの水揚げ水準が低下する中、定置漁業者からの要望を受けて実施に至ったという。昨年から本州の養殖地を視察するなど準備を進めていた。漁業者が給餌しながら11月ごろまで飼育し、一尾2・5キロアップへの成長を目指す。3か年事業で取り組み、将来の生産規模拡大も視野に入れる。[....]