近大×豊田通商×日本MS、稚魚自動供給システム開発

2019年2月7日

現行の手作業の稚魚選別作業。自動化に向け研究・開発を進める

 近畿大学水産研究所(和歌山県白浜町)は、豊田通商(名古屋)、日本マイクロソフト(東京)と共同で、人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)などを活用して業務の効率化を図る「稚魚自動供給システム」を開発し、今シーズンのマダイ稚魚出荷から養殖現場に導入して本格稼働した。

 マダイの「稚魚自動供給システム」は、これまで手作業で行っていた「イケスからポンプ移送する稚魚の供給量」を、AIとIoTで最も効率的な作業量に自動で調整して供給するシステム。開発にあたり、豊田通商が自動化システムのハードウエア設計などを行い、日本マイクロソフトがAI・IoT機能を活用したポンプ移送流量調節自動化システムの設計・開発を行った。

 同研究所と近大水産養殖種苗センター、同大学のベンチャー企業(株)アーマリン近大が連携して生産・供給しているマダイ稚魚は年間約1200万尾。国内生産量の24%と大きなシェアを占める。稚魚選別は目検と手作業で行うため、専門作業員の高度な技術・経験、作業員への体力的負担が大きかった。今回は第1段階として、選別作業の要となるポンプ移送の供給量調整の自動化を実現した。[....]