貝殻漁礁浮桟橋で海藻やナマコが増殖、福山市横田漁港

2018年8月13日

クリックで画像を大きく表示します

浮桟橋に取り付けられたシェルナース。

 水産庁が創設した漁港機能増進事業を活用し、広島・福山市の横田漁港で浮桟橋(ポンツーン)に稚魚や海藻の増殖機能をもたせようという取り組みが進められている。浮桟橋設置による就労環境の改善はもちろん、漁港内は平穏な水域となるため幼稚魚の隠れ場となることが知られており、ここに増殖機能を付加することで水産資源の回復という一石二鳥の効果が期待される。
 同漁港では今年2月、増殖礁としての再利用を目指し、海洋建設(片山真基社長)が製造する貝殻魚礁「JFシェルナース」を浮桟橋に取り付けて沈設。2か月後に側面には最大藻長50センチ程度のワカメが高密度で着生したことを確認した。沈設時に取り付けていたクロメ種苗も良好な状態で残っていたという。周辺には全長3センチ程度のメバル幼魚が群れを形成し、砂泥底にはマコガレイがみられ、上部や周辺にはマナマコも着生していた。餌料生物などの着生被度は5%未満だったが、沈設2か月と短期間だったことからみて、今後さらに増えていくことが予想される。
 また、貝殻漁礁では、海洋建設に対第20回国土技術開発賞(国土技術研究センター、沿岸技術研究センター共催、国土交通省後援)の創意開発技術賞(国土交通大臣表彰)に選ばれ、片山真基社長と技術営業部の伊禮(いれい)宙未さんに、石井国土交通大臣からの賞状と盾が贈られた。[....]