第41回「全国豊かな海づくり大会」兵庫大会開催

2022年11月9日

オンラインで参加された天皇・皇后両陛下(昨年)

 日本のほぼ中央に位置し、北は日本海、南は瀬戸内海に面している兵庫県。南は瀬戸内海からさらに淡路島を介して太平洋へと続いている。同県では1982年第2回大会を日本海の香住町(現香美町)で開催しているが、今回の「全国豊かな海づくり大会 兵庫大会―御食国ひょうご」は、瀬戸内海に面した明石市で13日に開催される。新型コロナウイルス感染症の影響から2020年の大会が1年延期され、順送りになってきた。現在も完全な収束はしていないため、全国からの招待者数などはこれまで行われてきた例年の人数よりも絞った形で行われる。大会スローガンは、「広げよう 碧(あお)く豊かな 海づくり」。青緑を意味する漢字、「碧」を使っているのが大きな特徴。「碧」には、ただ単に澄み切った色の海ではなく、適切な濃度の植物プランクトンが全国に広がる期待が込められている。天皇・皇后両陛下がご臨席される四大行幸啓行事の開催にあたり、大会概要、同県水産業の特色などを紹介する。

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 「全国豊かな海づくり大会」は、水産資源の保護・管理と海や河川・湖沼の環境保全の大切さを広く国民に訴えるとともに、つくり育てる漁業の推進を通じて、水産業の振興と発展を図ることを目的に、1981年の大分県鶴見町(現佐伯市)で第1回大会を開催、以後、毎年各地で開催されてきている。コロナ禍で2020年の大会が21年に延期され、両陛下はリモートで出席されていたので、現地を訪れて参加されるのは3年ぶりになる。

 主催は、豊かな海づくり大会推進委員会(会長・坂本雅信JF全漁連会長)と第41回全国豊かな海づくり大会兵庫県実行委員会(会長・齋藤元彦知事)。農林水産省と環境省が後援。

 兵庫県での大会開催は全国初となる2回目。瀬戸内海では水質が改善した一方で、海水の貧栄養化が進行し、水産資源へ悪影響が生じている。2回目の開催を兵庫で行うことで、豊かな海の創出に取り組む同県の姿を全国に発信。その取り組みの輪をさらに広げ、水産業の一層の振興・発展を図っていく。[....]