熟成魚で高品質化を、島根で研究続く

2020年7月1日

講習会での血抜きの様子(島根県水産技術センター提供)

 島根県で「熟成魚」による水産物の高品質化、魚価向上に向けた研究が進んでいる。同県水産技術センターがマサバを対象に行った品質調査では、うま味成分であるイノシン酸が長期にわたって維持されたことを確認。鮮度指数のK値も鮮魚という枠組みでは低めに抑えられており、今後に可能性を感じさせる結果となった。

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 熟成魚は、都内の高級寿司店などが独自に採用しているが、熟成が当たり前になっている畜肉に比べて一般的には広がっていないのが現実。魚は「鮮度が命」という意識も依然として根強い。実際にヒラメやマダイなどの白身魚は数日置いてうま味を引き出して料理を提供することも多いが、熟成ではなく「寝かせる」という言葉が一般的だ。逆に言えば研究余地が残されている。[....]