海洋酸性化テーマに国際シンポ、日本独自の取り組みを

2023年2月6日

識者によるパネルディスカッション

 日本財団(笹川陽平会長)と、英国のシンクタンク「エコノミスト・インパクト」の共同組織「Back To Blue」は2日、東京・港区のグランドハイアット東京で「海洋酸性化?忍び寄る危機」をテーマに国際シンポジウムを開催した。現段階では日本沿岸で酸性化を示すデータはあるものの、直接的な漁業・養殖業への影響は確認されていない。ただ、貝類養殖などに影響を及ぼす可能性は将来的なものではなく目の前に迫った問題であり、日本ならではの取り組みや漁業者との連携の必要性にも触れた。

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 世界的にみると、すでに海洋酸性化による直接的な影響が漁業・養殖業でも確認されている。英プリマス海洋研究所のスティーブ・ウィディコム科学部長は、米国の西海岸でマガキの養殖に酸性化の影響がすでに観測されていることを説明。二酸化炭素(CO2)排出量を削減する再生可能エネルギーや森林再生、ブルーカーボンの活用などの重要性を訴えた。[....]