沿岸酸性化マガキに影響 東大など発表

2023年12月1日

 東京大学大気海洋研究所の藤井賢彦教授ら研究グループは、日本沿岸のマガキ養殖海域で、時期によって海洋酸性化がマガキに影響を及ぼす可能性のある水準に達していることが観測されたほか、河川からの淡水や有機物の流入を抑制するなど沿岸地域での対策の有効性を示したと発表した。

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 研究チームは、マガキ養殖が盛んな岡山・備前市の日生海域と宮城・南三陸町の志津川湾の河口部や沖合、藻場、養殖場付近などで地元漁業者らと協働し、海洋酸性化の進行状況を観測した。  実験では、複数の計測器をマガキ養殖場内に設置。液体の性質を示す水素イオン濃度指数(pH)と、炭酸カルシウムのうち比較的溶けやすい結晶形態であるアラゴナイトを殻として利用する生物に対する酸性化影響指標で、低いほど溶解リスクが高まる「アラゴナイト飽和度」を観測した。 [....]