水産高校と漁協がコラボ 

2021年11月25日

「かつおボニートチップス」

 鹿児島・JF枕崎市漁協(市田恵八朗組合長)が2021年度の天皇杯を受賞したきっかけとなる「かつおボニートチップス」は、地元の県立鹿児島水産高校とのコラボで完成した。コンセプトや調理方法、包材やデザインなどをプロデュースする生徒を漁協が支援し、昨年11月に開催された県漁業振興大会第54回水産物品評会で農林水産大臣賞を獲得した。

 始まりは、同校の課題研究授業の一環で実施した遠洋一本釣り漁船のB1カツオを使った加工品作りだった。スライスしたカツオを加熱プレスし、遠赤外線で熱を加えたチップス形態の製品は、カツオ節製造の技術を取り入れたことで香ばしく、かむほどにカツオの味が出てくる。菓子としてだけでなく、パリパリと割って茶漬けやサラダなど、料理にも使える点が評価された。

 完成に至るまで、漁協は原料供給や製造機器の調達、専門家との引き合わせなどで、生徒らの独創的なアイデアを形にしていった。市田組合長は「固定概念にとらわれているわれわれには出ない発想。『面白いからやらせてみよう』と試したことが、新たな商品開発につながった」とほほえむ。[....]