東安房漁協 もうかる漁業PJ/宝の海、潜在能力引き出す

2024年3月27日

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より広くなった甲板で選別の作業性が増した

 房総半島の南端にある千葉・JF東安房漁協(佐藤光男組合長)は、今月末でもうかる漁業創設支援事業を活用した5年間の大型定置網プロジェクト実証事業を終了する。水揚金額は助成を受けた2019~21年度の3年平均が、計画比25%増(事業開始前平均の50%増)の4億360万円、4年目の22年度は6億円を突破した。担当者は「プロジェクトを通じ生産への意識改革が図られた」と、成果を語った。

 東安房漁協がプロジェクト運営者となる改革計画は、急潮や波浪の影響を強く受ける外房漁場で、定置網2か統の周年操業を目指した。実現に向け改革型本船と多目的船の新船2隻を導入した。

 網も大幅に改良している。急潮の影響を抑えるため、側張りのワイヤは化繊ロープに変更した。軽くて柔軟なうえロープ自体に浮力があり、浮子を減らしても魚が逃避する網の沈下を防ぐ。網の目合い拡大と合わせて潮抜けが速くなり、迅速かつ省力で網を起こせるようになった。[....]