新富津漁協のブランドカキ「江戸前オイスター」、身入り抜群 

2023年4月6日

大きく育った「江戸前オイスター」

 千葉・JF新富津漁協のブランドカキ「江戸前オイスター」の身入りが抜群の時期を迎えている。

 11月から春先にかけて地元の海で獲れた稚貝を養殖したカキを出荷しており「地種は3月から4月が最も身入りがよい時期」(浅倉正信指導部主任)と、今年もぎっしり身が入っている。

 同漁協では全国的にも珍しい、かご養殖で生産。殻は小ぶりながらぎっしり詰まった、ぷりっとした食感と食べ応えのある貝柱も特徴。2018年から生産を開始し、品質の高さから全国から引き合いが来ている注目のブランドカキだ。

 養殖は沖合のノリ養殖場の空きスペースを活用。同漁協は県内でも有数のノリ生産地として知られるが、近年、海水温の上昇や魚の食害などに悩まされており、生産が不安定な状態が続いている。そこで新たな事業の柱を立てようと取り組んでいるのがカキプロジェクト。初年度は3000個の出荷だったが年々生産量を増やし、22年度は20万個を出荷した。

 当初は地元の飲食店に出向き営業していたが、おいしさが口コミで伝わり、今では生産が追い付かないくらいの注文が入るようになった。

 また、20年からは3倍体カキの養殖も開始し、カキの通年出荷を目指している。夏場は水温が高く新たな設備が必要となるため、現段階では実現していないが、「爽やかな味わいのカキなので夏場にも食べてもらえるようにしたい」(浅倉主任)と意欲を込める。[....]