採卵後ヤマメを揚げカマに、未利用資源活用の可能性拡大

2024年3月7日

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採卵後のヤマメで作った「やまぼこ」(奥多摩さかな養殖センター提供)

 東京・奥多摩では産卵後の養殖ヤマメを有効活用し、揚げカマボコ「やまぼこ」として販売する取り組みが行われている。種苗生産を目的に育てたヤマメはこれまで採卵を終えて死ぬと焼却処分されてきた。同地域ではスリ身に加工する技術を開発し、昨年から業務用に提供スタート。販売先からは、国連の持続可能な開発目標(SDGs)にも即したストーリー性の高さや原料調達から加工まで東京で完結している点などが評価され、徐々に注目を集めているという。

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 「やまぼこ」が誕生するきっかけとなったのは、地元で漁協・養殖業者向けにヤマメやイワナなどの卵や稚魚を配布している奥多摩さかな養殖センター(東京都農林水産振興財団が運営)が抱えていた親魚の廃棄問題だった。多い時では年間およそ2・5トンを処分する必要があり、燃料コストや作業の手間が負担となっていた。[....]