天領真牡蠣が関東デビュー/小豆島・池田漁協

2023年6月7日

「コピス吉祥寺店」での販売の様子。カキではなかなか見ない香川県産表記

 先進的な組合運営で知られているJF池田漁協(香川・小豆島町)が漁業者と連携して昨年4月から養殖を始めた、通年出荷が可能な3倍体マガキの新ブランド「小豆島天領真牡蠣」が2~4日の3日間、都内の高級スーパー「三浦屋」5店舗で650個が限定販売された。関東地区での販売は初めて。今後も小豆島内外での販路構築とブランドの認知度向上に努め、漁師の副収入の柱に育てる。今回は加熱用での販売だが、近く生食出荷にもめどを付ける。

 今回の販売は、三浦屋が11日まで店頭で行っている「瀬戸内フェア」の中で行われ、事前の販促チラシでは目玉商品の扱いとなった。東京・武蔵野市の「コピス吉祥寺店」では、初日の2日に殻付き「小豆島天領真牡蠣」50個を準備。店側が用意をしたPOPと池田漁協側が作成した電子レンジ調理方法の紹介と併せて、水産売場の平台に陳列した。

 「当店で殻付きカキを扱うことはめったにない」と話した片岡孝司店長は、「小豆島天領真牡蠣」の印象について「鮮度感や形、大きさ、価格のバランスが非常によくみえる」と、70グラム以上の出荷基準を満たした付着物のない美しい殻の見栄えを絶賛。最終日の4日には早々に完売した。

 「小豆島天領真牡蠣」は日本国内では少数派のシングルシード養殖を採用しており、日中に干出する(水面上に露出させる)ことで付着物が付きにくくカキ殻の表面が汚れずきれいに仕上げることができる。性成熟をしない3倍体なので、年間通じて身の肥えた状態を保てる。小豆島のある香川県では、カキの生食出荷の事例がこれまでなかったため、制度の整備からの着手となり時間がかかっているが、将来的には加熱用だけでなく、生食用出荷も行う予定だ。[....]