佐渡、漁業用「たらい舟」の製造再開

2020年6月12日

たらい舟づくりに精を出す金子さん

 新潟県佐渡島で、新型コロナウイルスの感染拡大防止の関係で約2か月間、臨時休業を余儀なくされていた漁業用の「たらい舟」の新規製造や修理の作業が、今月1日から再開した。小さな作業場では、材料を削って組み立てたり、表面を特製カンナで弧を描くように削ったりする各種の作業音が島に戻ってきた。

 たらい舟作りは、「小木地区のたらい舟製造技術」の名称で2007年3月に国の重要無形民俗文化財に指定。受け継ぐ職人数は島内でも少なく、後継者不足が課題となっている。

 漁船では立ち入れない入り組んだ狭い岩場の間などの海域でサザエやアワビ、ハマグリなどの貝類の水揚げに使用されている。たらい型の形状から名付けられ、また、味噌だるを半分に切ったような外観から漁師たちには「はん(半)切り」の愛称でも親しまれている。[....]