世界初“あたらぬカキ”誕生

2023年8月9日

㊧が「8TH SEA OYSTER2・0」。㊨は入善町の海洋深層水で浄化した兵庫・室津産の「8TH SEA OYSTER1・0」

 カキの種苗生産、養殖、卸販売からオイスターバーの経営などを幅広く行う(株)ゼネラル・オイスター(本社=東京・中央区、吉田秀則社長)のグループ会社(株)ジーオー・ファーム(GOファーム)は沖縄・久米島で海洋深層水を活用した完全陸上養殖のカキの生産に世界初成功した。ブランド名である「8TH SEA OYSTER(エイスシーオイスター)2.0」は〝あたらないカキ〟として今後、数年内に量産化を進め市場に販売していく計画。

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 海洋深層水は世界の7つの海の下に広がる8番目の海「8TH SEA」として定義付けられ、東京大学の髙橋正征名誉教授によれば、日本にある海洋深層水の中でも久米島は日産1万3000トンの取水量と国内最大級。海洋深層水は清浄性と富栄養性、冷温性が特徴とされる。

 吉田ゼネラル・オイスター社長は、「カキは栄養豊富で低カロリー。魅力的なエナジーフードだが、海に流れ込む水などに含まれる細菌類やウイルスをカキがため込むことでそれを食べた人があたることもある。また近年では海水温の上昇などで世界的にもカキの斃(へい)死が増える現象が起きており、持続可能なカキ養殖生産が求められていた。何とか〝あたらないカキ〟を作れないか、そして持続可能な養殖ができないか東京大学との共同研究などを経てこのほど完全陸上養殖による生産に成功した。今後は量産化に向け年間数十万個、その後は年間数百万個の生産を目指したい」と話した。[....]