トリチウムを迅速検査、処理水放出後の風評抑制

2023年5月31日

 政府が夏前にも福島第一原発の多核種除去設備等処理水(ALPS処理水)の海洋放出の方針を示している中、水産庁は29日、水産庁記者クラブで水産物中のトリチウム分析について詳細を説明した。「できるだけ早くモニタリングの結果を生産者・消費者に提供することで風評を抑制したい」考えで、2022年度までは北海道から千葉県の太平洋側を中心に産地市場から魚を調達し精密分析を行っていたのに追加し、23年度は福島第一原発の半径10キロの範囲で採取したサンプルについて迅速分析を行うと説明した。

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 精密分析は一検体当たり1か月半程度の検査期間がかかり、1ベクレル/キログラム未満の濃度まで精密な分析が可能。22年度は、北海道から千葉県まで東日本の太平洋側で200検体程度を分析。すべて検出限界値未満だった。[....]