どうなる?豊洲市場の「完納奨励金」

2020年8月17日

「完納奨励金」への対応で注目されている豊洲市場

 6月21日に改正卸売市場法が施行され、卸と仲卸の間の決済関連契約の整理が必要となる中、業務条例(規程)から規定が消えた、販売代金の期限内の完納を奨励する「完納奨励金」の扱いが焦点となっている。東京・豊洲市場の水産物部では両者の協議が具体化する前に施行日を迎え、当面は現行の団体協約を延長してつないでいるが、その行方に全国の市場関係者が注目している。

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 経営環境が年々厳しくなる中で「完納奨励金」の負担軽減を図りたい卸と、卸売市場の強みである早期代金決済の維持に「完納奨励金」は欠かせないという仲卸の主張には大きな隔たりがある。

 もともと卸売市場での代金決済は、売買成立時の即時支払いが義務だ。ただ、あらかじめ両者の間に「支払猶予の特約」が締結されている時はその限りでなく、実際にはほぼ100%「支払い猶予の特約」が存在している。[....]