「福島県産魚」釣って食べるイベント開催、放射性物質測定会・寿司教室など

2023年3月22日

メバルを捌く富原氏の魚の話に聞き入る小学生ら

 復興庁は18日、福島県外在住(茨城・埼玉・栃木)の親子12組32人を福島・いわき市久之浜町に招き「豊かな常磐の海でメバルを釣って食べようinいわき」を開いた。荒天で船釣りは中止となったものの、代替企画の釣りの仕掛けの作り方教室や、放射性物質の測定会、福島の海についての講座、江戸前寿司教室など、釣るところから食べるまでを通しで体験し、県産ブランド水産物「常磐もの」の今を学んだ。

       ◇       ◇       ◇

 放射性物質の測定会では、環境水族館「アクアマリンふくしま」に勤務する獣医で、原発事故対応に10年以上向き合ってきた富原聖一氏が「常磐もの」の魚の話と合わせて、福島の海の実態を解説した。釣り好きで飼育展示用の魚を採取するかたわら、2011年6月ごろから福島第一原発近傍含めて独自に魚を採集・測定しデータを積み重ねてきた知見を基に話した。

 スタッフが前日に福島沖で釣ったメバルを子供たちの前で手慣れた手付きで三枚おろしにしながら「包丁は100均のもので十分」「捌く時はまな板を台の縁に合わせるとやりやすい」と、釣り人調理ならではの知恵を伝授。会場近くに市が整備した自家消費用作物の簡易検査所で検出限界未満(15ベクレル未満)であると示した。「実際に一度測ると安心する」と自身で測定してみることを勧め、「自分が毎日のように食べているドンコは割と早いうち(11年中)から国の基準を下回り、近年はずっと検出限界未満が続いている。安心して召し上がれる魚になっている」と話した。[....]